"僕の名はサンタ・マルタ・エイジ…電気代は今、狙われている!!"
…とアクアリストに警告したかどうかは未確認です。
しかしながらエイジさんは西方独立自治領より蒼い光を導いてくれました。
機械的な黒光…
華のつぼみのような曲線美…
7つの高性能LED球を収納した穴…
男と男の知恵と努力の結晶が奇跡を生んだ…
少年の夢は長き刻を経て今、現実に…
ついにアクアリストの夢を実現したUltra-violenceことUVのLEDです。
その破壊力はアクアLED史上最強を誇るほど…
…ではなくてUVは
Ultra-violetの略だそうです。
ボルクスジャパンさんのGrassyLeDio7 ディープブルーUVモデルのサンプル品です。
外装が従来のUVなしモデルとは違い、小さく、軽量化、そして横漏れがなくなったのがとても好感持てます。
まず確認として15cmの距離から…直視…世界が黄色くなりました…。
注:良い子は真似しないように…前回は別のLEDで食べたもの全て吐き、床を這いずりまわりましたから…。
水槽のサンゴを照らすと…なんとも摩訶不思議な色合いに。
流石UV-Aです。
蛍光色素が反応してサンゴテカテカ。
色のなかったところまで不思議な色合いになります。
サンゴの色という面では1位につけても良いというほどの照明と言っても過言ではありません。
今回はサンプル品なので、正式販売時にはまた改良されそうです。
まさにナイトメアフレームですね。
…数話で新型照明が出るから名前憶えられない状態。
アクア照明開発史を紐解くと、
第一世代が不安定な太陽光
第二世代が成長の水銀灯
第三世代が低価格の蛍光灯
第四世代が色揚げのメタルハロゲンランプ
第五世代が効率のハイパワーLED
という感じですね。
原作と同じく第二世代が一番不遇です。
第七世代についてもだにさんと色々話していますが、楽しみでついついワラワラします。
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このLEDのおかげでベッドルームにひとつ水槽を置きたくなりますね。
エイジさんはいつもこれを見てハァハァしているのでしょうか…
さて妻帯…ではなくて生体について。
まずはカクオオトゲのパープル。
GrassyLeDio7 UVブレンドモデル照射
興和システムサービス蛍光ランプBB450照射
GrassyLeDio7 ディープブルーUVモデルでは内側の蛍光グリーンが濃く見えるようになりました。
次もパープル。
GrassyLeDio7 UVブレンドモデル照射
興和システムサービス蛍光ランプBB450照射
BB450ではパープルというより…茶色…。
レッド系、いろいろ。
GrassyLeDio7 UVブレンドモデル照射
興和システムサービス蛍光ランプBB450照射
オレンジ&グリーン
GrassyLeDio7 UVブレンドモデル照射
興和システムサービス蛍光ランプBB450照射
GrassyLeDio7 ディープブルーUVモデルではシアンの蛍光色が映えます。実際に、飼育下ではさらにシアンの色素が強くなります。
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変わった模様のグリーン。実はセンターはイエロー。
GrassyLeDio7 UVブレンドモデル照射
興和システムサービス蛍光ランプBB450照射
UVの方がグリーンとイエロー系グリーンとの違いがはっきりと出ます。
BB450では同一系のグリーンに見え、複雑な色彩を楽しめません。
うまく画像にはでませんが、実はこれグリーン&イエロー。入手時はほとんどグリーンでしたが、3W球のLEDで色揚げしたものです。イエローの面積が増えました。2番目にお気に入りのカクオオトゲです
LEDで色揚げが可能な一例。
GrassyLeDio7 UVブレンドモデル照射
興和システムサービス蛍光ランプBB450照射
明るさが違うので、単純に比較はできませんが、LPSの蛍光色は強くでます。また、そのためか、明暗がはっきりします。手ぶれも少なくなります。
よくよく見比べるとわかるのですが、LEDの方が色数が多いのがわかります。
蛍光色を発し、シフトしているので、より複雑な色彩になります。
それが一番顕著なのが下記のカクオオトゲ。
グリーンやイエローなど波長が短い系の色にはかなり効果があると思えます。
黄色カクオオトゲなのかわかると思います。これはブルーのLEDで色揚げしました。LEDで色揚げは可能です。
今回はカクオオトゲキクメイシ水槽でこのGrassyLeDio7 UVブレンドモデルを使用しています。
さて、どのような色変化が見られるか楽しみにょろ。
褐虫藻がUV-Aを光合成に利用することは古くから確認されています。また、褐虫藻が320nmの波長を吸収することもわかっています。
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ただし、サンゴの種類によってはUVが光合成を阻害することが確認されています。サンゴは360から380nmを利用するという文献もあります。しかしながら、UVが強すぎたり、照射時間が長いとサンゴに害を及ぼします。そこでまずは1時間/日を2週間つづけ、様子を見て、UVで問題がおきないことを確認してから、その後に3時間/日を照射時間としました。
UVが強すぎる場合は、サンゴの白化、異常なミューカス生産が見られます。
そういう場合は、距離を離すなり、照明時間を短くするべきでしょう。
コモンサンゴの一種、Montipora capitataキャピタタの実験では、たしかに光合成の光化学系響乏欧確認されました。
これはUV-B、もしくは過剰なUV-Aと共にダメージを受けれている可能性があります。
Riddelの実験では4時間UVを照射しただけで、キャピタタの光合成効率は半分近くまで落ちたそうです。なおこの実験でのUV量はUV-Aが1150μWcm2。UV-Bが145μWcm2だそうです。
また、3ヶ月間 Porites astreoides (カリブのハマサンゴ)を飼育した結果、ハマサンゴはUV環境に適応できず、適応しているサンゴに比べて成長は遅かったという研究データをRiddleは引用しています。
ややこしいのが褐虫藻のクレードによってUV防御能を持つものと持たないものがいるということです。
Myfcodporine-like Amino Acid (MAA)がUVから褐虫藻を守ってくれますが、キャピタタは生息場所によりMAAを持たない場合があります。これは褐虫藻のクレードの違いによるものと推測されます。浅い場所の個体にはMAAがあり、やや深い場所の個体にはないのでしょう。
このことから、いくつかのSPSはUVに適応するのは難しいという結論をRiddleは出しています。
過剰なUVは水深やフィルターで落とすことができます。
水深40cmでUV-Aは34%まで落ち、UV-Bは29%まで落ちるそうです。
これは綺麗な人工海水での測定であり、水中の有機物が多い黄の水ですと、UV-Aは29%。UV-Bは22%まで落ちるそうです。
アクリルでも390nm以下の光を大幅に吸収します。そのかわり照度は落ちますが…。
光に関しては、ベルリン以前より、そして今も多くのアクアリストが拘る部分であります。
システム論、スキマー、人工海水、餌よりも、照明に関しては持論を展開するアクアリストが多いと思います。
雑誌を見る限り、SPS飼育主体となった日本のマリンアクア界ではメタルハライドが必然的に主役となります。
特に灯具としてはMT-250やMTー150が秀でており、球としては特殊なレンズを用いたスーパークール115が日本のアクア界を支えました。この2種はここ数年に出てきたものではありません。が、現役でも最高峰と言える照明です。
ここ数年の動きとしては高性能というよりも、より安価にという感じで、格安のメタルハライドの灯具が各メーカーから販売されています。やはり灯具の反射版などを見てみると、値段相応というところです。
LEDは飛び出し防止のために、常夜灯として使われてる程度だった� ��ですが、熱いハイパワーLEDの登場でいつのまにか昼間に使う照明と生まれ変わりました。
2010年。
最高の照明はどれですか…という結論がより出にくくなりました。
各メーカー。
とりあえず球の販売は続けて欲しいです。
なにせ、球が入手不可能になって死んでいる灯具ほどむなしいものはないにょろ。
参考文献)
Delbeek, J.C.; Sprung, J. The Reef Aquarium Vol.3, Two little fishies, Inc., 2005,
Riddle, D. Playing with Poison - Ultraviolet Radiation, Advanced Aquarist's Online Magazine, 8, 2004,
エイジさん
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